文化財修理報告書 新潟県長岡市指定文化財 |
持国天像と邪鬼 本体3尺 鎌倉時代 桧材 寄せ木作り 寛益寺蔵 |
持国天像概要と状態 ○頭部は顔面の耳前1.5cmの位置で割り剥ぎ、首の位置に鋸の切目で割止め。
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お寺様への仏像拝観時にはお心ずかいよろしくお願いいたします。 伊谷 |
修理完了 |
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修理完了 |
修理完了 |
右足膝部材は大きく反っていたので補足材を挿むことによって剥ぎ面上部の表面が盛上がってしまった。 |
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撮影時脇が外れてしまった | |
右脇、欠損部分は復元。 | |
肩(首の差込部分が見えている)部分、腕を支える部分にしては小さい |
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打壊しの祭割れた背中は漆で接着。 腰から脇にかけて大きな割れ(両脇)。 廃仏棄釈の時の破壊によるものでしょう。 |
袖の接続面。腕を支える部分は漆とエポキシボンド7対3で接着 |
剥ぎ面の縮み修正と密着のための調整。 三個所の隙間を無くし完全な一体化をはかる。 一度では決めない日を置いて幾度もチェックする。 この作業の出来上がりは全ての作業の中で一番充実感の得られる時。 鉋の状態で決まる。 |
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後(背側) 剥ぎ面は完全に隙間をなくす。 |
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腕が重いので念には念を。 |
隙間の補修 収縮と破壊による剥ぎ面の傷みは全ての剥ぎ面に及ぶ。過去よりの修理の中で欠損部分が一番多かった。傷みの激しい仏像の修理はやりがいがあり、気合の高まりは大きい。 業務ではなく、ライフワークですね。 |
大きな節穴。 破壊による剥ぎ面の割れ多い。 |
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臍を接着剤で接続する事は強度を増すこともあるが作業工程上(都合)のためと圧着時のずれ止めで穴に接着剤は使わない(圧着は余分な膠を押し出すため) この像の解体修理はもう無いと思う。 (以前解体修理時、釜茹で膠を溶かそうとしたが30分以上、茹でたが解体出来ない台座で難儀したことがあったが、接続面が優れていた。) |
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左大腿部 打壊しの跡 |
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割れの補強の添え木 |
隙間の修正 裏面はアクリル樹脂と漆で防虫。 |
右腕 割れ部分を切捨てられそのまま接続されていた間接部分を復元。 |
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両腕はあと6〜7つに分かれる |
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左腕、後方より撮影 | |
左腕 |
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左大腿部 打壊しの跡 |
欠損部分の補足 |
顔の頬に漆下地に金箔がある |
胴体との隙間をなくした。 |
後の修復の補足材はそのまま使用。 接着は臍を設け膠で行った。 |
薄い茶色の部分は膠, 黒いのは錆漆 錆漆での接着失敗例。 |
修理完了 |
広目天像との比較 |